2009年 02月 17日
久しぶりの烏帽子岩
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【久しぶりの烏帽子岩】
先週末、猫の三吉っぁんを実家に預けるため大阪に帰省した。
かなりの部分を下道に費やしたので15時間もかかってしまったが、猫を膝に抱いての長距離ドライブというものもなかなか楽しかった。
大阪では2日間ほど時間を作って、久しぶりにクラブの先輩方に会った。
土日と烏帽子岩で登り、土曜の夜は師匠のセカンドハウスで宴会と相成った。
僕が大阪で所属していた山岳会は「大阪アルデベルグカメラード」というクラブである。
当時は大学の自転車部に所属し、自転車旅行で積雪期の峠越えに失敗して、遭難しかかった経緯から、少しは雪山の技術を習得しようとの軽い気持で入会したのであったが、間違えて冬壁から海外遠征バリバリのエキスパート集団に入ってしまった。
入会2週間後の初めての登山が厳冬期のミクリの頭~笠ヶ岳~抜度岳南尾根下降といういきなりの冬の北アルプスデビューだったことからも、どんなクラブだったか想像していただけると思う。
そのクラブ自体は人数不足などの要因から一度解散し、メンバーは他のクラブに吸収されるような形で存続していた。
しかし、ここ最近になって新たなメンバーを補強して再び第二次大阪アルデ山岳会として再開始している。
ヒマラヤやアラスカの大岩壁を目標としているのに、その基本はボルダリングやフリークライミング、ナチュラルプロテクションの技術にあるという非常にリベラルな発想をすでに20年前に僕に与えてくれたクラブである。
今回の烏帽子岩では、このクラブの新旧メンバーと交流することが出来て非常に有意義なクライミングとなった。
大阪を離れて20年経つが、僕のクライマーとしての心のベースは今でも「大阪アルデベルグカメラード」にある。
今回はそんな皆さんと僕のホームクリフである烏帽子岩で登ることが出来た。
この岩場はトポもまだ発表されていなかった開拓時期から登り始め、初めての5.11のR.P.(ジャスティス5.11a)もこの岩場で登った。
関西周辺のクライマーで初のイレブンがジャスティスという方はかなり多いのではないだろうか・・・。
要するに僕はフリークライマーとしてこの岩場に育てられたと言えるような岩場だ。
この週末は大快晴で暖かく、4月頃の陽気の元でのクライミングといった感じで非常に気持ちよかった。
ここのところ様々なトラブルに巻き込まれていて、精神的にもかなり辛い状態が続いていたが、この陽気と気の置けない先輩方のおかげで、そんなことは全て忘れ去る事が出来る週末だった。
とりあえず今回はしばらく課題として残っていた「タキシード・ボディ5.11c」を登ろうと思っていた。長い間の課題といっても、トライし続けていたわけではなく、なかなか登りに行ける機会が無かったので、10年、5年とほったらかしにしておいたものである。
しかし、15年ほど前に初めてトライした時には相当難しく思い、後一歩のところで登れなかった。
ある人達の間では5.12aとして認識されているようである。
この課題は先述のジャスティスの2ピッチ目に存在しており、これにトライするためには自ずと1ピッチ目のジャスティスを登らないと取り付けない。
しかし、ジャスティスとタキシードボディの間には、両手を離して休めるバンドがあり、ここで十分レストすることが出来る。
逆に、このバンドが無くて、スルーで上まで繋がるルートだったらもっと素晴らしい課題となるところが残念である。
とりあえず初日はすごく久しぶりに取り付くので、この課題のボルトがどのくらい老朽化しているのかがわからないため、そのチェックを兼ねての試登を行った。
下部の核心部辺りのボルトは打ち換えを行ってはいないが、さほど損傷を受けているようには思えず、まず問題のないもののように感じられた。
以前上部に1本だけ打たれていたサビサビのRCボルトが気がかりであったが(終了点辺りで万が一落ちるとこのボルトではゼッタイに支えきれず、間違いなくグランドフォールする・・という代物だった)、これはケミカルハンガーに打ち換えられていた。(JFAさんありがとう!私は一応会費を払っています)
そして翌日、軽くアップを済ませて早速、1ピッチ目のジャスティスから取り付いた。
岩のコンディションも良く、問題無く中間のバンドにたどり着いた。
そこでしばらくレストしていよいよ2ピッチ目に突入!
ジャスティスの上に覆い被さる三段のハングをダイレクトに越えて行く、非常に見栄えのあるラインだ。
以前トライした時に、非常に難しいと感じた両手パーミングから左足をヒールフックし、左手のサイドスローパーを取りに行くムーヴもさほど難しく感じなかった。
サイドスローパーを取ってから、微妙なバランスで右のカチを取る部分が少し緊張したが、このムーヴも難なくこなせた。
その後ももう2~3手厳しいムーヴが続くのだが、以前思いも付かなかった方法であっさり解決。
さほど苦労もせずに、一発目のトライで課題のハングを足下にする事が出来た。
体感グレードは5.11dといったところか・・・。
何か拍子抜けした感はあるが、ずっとトライしていなかった割にいつも心の中に引っかかっていた課題だったので、完登出来たことは非常に嬉しかった。
その後は再び長距離ドライブが待っていたので、早めに皆さんと別れ、岩場を後にした。
春っぽい陽気の中をゆっくり車を走らせ、久しぶりにとても幸せな気持ちに満ち足りて帰宅することが出来た。
しかし、帰宅して一日経つと、春っぽい陽気はどこへやら・・・。
まだしばらくは雪国の冷たい重い世界との付き合いが続きそうだ。
先週末、猫の三吉っぁんを実家に預けるため大阪に帰省した。
かなりの部分を下道に費やしたので15時間もかかってしまったが、猫を膝に抱いての長距離ドライブというものもなかなか楽しかった。
大阪では2日間ほど時間を作って、久しぶりにクラブの先輩方に会った。
土日と烏帽子岩で登り、土曜の夜は師匠のセカンドハウスで宴会と相成った。
僕が大阪で所属していた山岳会は「大阪アルデベルグカメラード」というクラブである。
当時は大学の自転車部に所属し、自転車旅行で積雪期の峠越えに失敗して、遭難しかかった経緯から、少しは雪山の技術を習得しようとの軽い気持で入会したのであったが、間違えて冬壁から海外遠征バリバリのエキスパート集団に入ってしまった。
入会2週間後の初めての登山が厳冬期のミクリの頭~笠ヶ岳~抜度岳南尾根下降といういきなりの冬の北アルプスデビューだったことからも、どんなクラブだったか想像していただけると思う。
そのクラブ自体は人数不足などの要因から一度解散し、メンバーは他のクラブに吸収されるような形で存続していた。
しかし、ここ最近になって新たなメンバーを補強して再び第二次大阪アルデ山岳会として再開始している。
ヒマラヤやアラスカの大岩壁を目標としているのに、その基本はボルダリングやフリークライミング、ナチュラルプロテクションの技術にあるという非常にリベラルな発想をすでに20年前に僕に与えてくれたクラブである。
今回の烏帽子岩では、このクラブの新旧メンバーと交流することが出来て非常に有意義なクライミングとなった。
大阪を離れて20年経つが、僕のクライマーとしての心のベースは今でも「大阪アルデベルグカメラード」にある。
今回はそんな皆さんと僕のホームクリフである烏帽子岩で登ることが出来た。
この岩場はトポもまだ発表されていなかった開拓時期から登り始め、初めての5.11のR.P.(ジャスティス5.11a)もこの岩場で登った。
関西周辺のクライマーで初のイレブンがジャスティスという方はかなり多いのではないだろうか・・・。
要するに僕はフリークライマーとしてこの岩場に育てられたと言えるような岩場だ。
この週末は大快晴で暖かく、4月頃の陽気の元でのクライミングといった感じで非常に気持ちよかった。
ここのところ様々なトラブルに巻き込まれていて、精神的にもかなり辛い状態が続いていたが、この陽気と気の置けない先輩方のおかげで、そんなことは全て忘れ去る事が出来る週末だった。
とりあえず今回はしばらく課題として残っていた「タキシード・ボディ5.11c」を登ろうと思っていた。長い間の課題といっても、トライし続けていたわけではなく、なかなか登りに行ける機会が無かったので、10年、5年とほったらかしにしておいたものである。
しかし、15年ほど前に初めてトライした時には相当難しく思い、後一歩のところで登れなかった。
ある人達の間では5.12aとして認識されているようである。
この課題は先述のジャスティスの2ピッチ目に存在しており、これにトライするためには自ずと1ピッチ目のジャスティスを登らないと取り付けない。
しかし、ジャスティスとタキシードボディの間には、両手を離して休めるバンドがあり、ここで十分レストすることが出来る。
逆に、このバンドが無くて、スルーで上まで繋がるルートだったらもっと素晴らしい課題となるところが残念である。
とりあえず初日はすごく久しぶりに取り付くので、この課題のボルトがどのくらい老朽化しているのかがわからないため、そのチェックを兼ねての試登を行った。
下部の核心部辺りのボルトは打ち換えを行ってはいないが、さほど損傷を受けているようには思えず、まず問題のないもののように感じられた。
以前上部に1本だけ打たれていたサビサビのRCボルトが気がかりであったが(終了点辺りで万が一落ちるとこのボルトではゼッタイに支えきれず、間違いなくグランドフォールする・・という代物だった)、これはケミカルハンガーに打ち換えられていた。(JFAさんありがとう!私は一応会費を払っています)
そして翌日、軽くアップを済ませて早速、1ピッチ目のジャスティスから取り付いた。
岩のコンディションも良く、問題無く中間のバンドにたどり着いた。
そこでしばらくレストしていよいよ2ピッチ目に突入!
ジャスティスの上に覆い被さる三段のハングをダイレクトに越えて行く、非常に見栄えのあるラインだ。
以前トライした時に、非常に難しいと感じた両手パーミングから左足をヒールフックし、左手のサイドスローパーを取りに行くムーヴもさほど難しく感じなかった。
サイドスローパーを取ってから、微妙なバランスで右のカチを取る部分が少し緊張したが、このムーヴも難なくこなせた。
その後ももう2~3手厳しいムーヴが続くのだが、以前思いも付かなかった方法であっさり解決。
さほど苦労もせずに、一発目のトライで課題のハングを足下にする事が出来た。
体感グレードは5.11dといったところか・・・。
何か拍子抜けした感はあるが、ずっとトライしていなかった割にいつも心の中に引っかかっていた課題だったので、完登出来たことは非常に嬉しかった。
その後は再び長距離ドライブが待っていたので、早めに皆さんと別れ、岩場を後にした。
春っぽい陽気の中をゆっくり車を走らせ、久しぶりにとても幸せな気持ちに満ち足りて帰宅することが出来た。
しかし、帰宅して一日経つと、春っぽい陽気はどこへやら・・・。
まだしばらくは雪国の冷たい重い世界との付き合いが続きそうだ。
by onsite63
| 2009-02-17 14:50